着物、和服と一口にいっても
実は種類がたくさんあります。
洋服だって、
ワンピース、パンツ、Tシャツ、コート・・・といろいろありますでしょ。
ぱっと見同じように見える着物にだって、
男性、子供、女性で違いがありますし、
単衣(ひとえ)に袷(あわせ)に被布衿(ひふえり)、羽織(はおり)、コートと
いろいろございます。
でもまずは女性の礼装の着物として基本の基本、
振袖と留袖についてです。
振袖
若い、未婚女性の着物といえば振袖です。
振袖と一口にいっても
小振袖
中振袖
大振袖
と長さによって呼び方が変わります。
長さの違いは時代によってもふわっと違っている感じがするので割愛致します。
私の母の時代には中振袖が主流だったようですが
現代の成人式では、
チラシをみる限り大振袖が主流というか大振袖オンリーですよね。
この振袖ですが
生地が絹で、格のある模様であれば礼装となりますが
どんなに振袖=第一礼装といわれても
生地が木綿や紬、ウールなら礼装にはなりません。
また、格のある柄というのがありますので
そのあたりでどこに着ていけるかが
そこはかとなく決まります。
これは本来、振袖に限らず訪問着にもいえることなのです。
振袖で木綿や紬なんてありえないと思われるかたがいらっしゃるかもしれませんが、
わたしの着物の先生は過去に紬の振袖をみたそうです。
そもそも振袖は未婚女性の着物。
生地についての指定はございません。
とは申しましても、袖の長さ分だけ布をたくさん使用致します。
つまり、そのぶん布代がかかります。
庶民が気軽に、というよりはお金持ちのお嬢様の着物というのは納得です。
紬のお振袖、そういうかたの普段着としてつくられたのでしょうね。
うらやましい限りです。
これは個人的な見解ですが、
紬やウールが礼装としては使えないというのは時代のせいもあると思います。
もののない時代でいわゆる絹が手に入らなかったら、
紬でもウールでも礼装になりえるのではないかと思うのです。
留袖
さてさて、
振袖を着ていた未婚女性が、既婚になると振袖の振りをなくして
お袖を留める。
つまり、留袖(とめそで)になります。
また、留袖のことを江戸褄(えどづま)とも申します。
これは、江戸褄模様のことです。
留袖に江戸褄模様をほどこしていたので、
留袖=江戸褄模様と結びつき、江戸褄と言えば留袖というようになったようです。
江戸褄模様は
上半身には柄がなく、衽(おくみ)から前身頃(まえみごろ)にかけての模様があるものです。
江戸褄模様にもいろいろと種類があるようですが、
簡単にいうと、裾だけに模様があるものです。
留袖は主に、留袖と色留袖(いろとめそで)があります。
留袖は黒地ですが、色留袖は黒以外の生地のものをさします。
また、上半身、袖には柄はなく、下半身に柄行がつけられます。
通常、留袖には紋を入れます。
家紋をいくついれるかによって、礼装の格も違いますが、
留袖は5つ紋が多かったように思われます。
紋には1つ紋、3つ紋、5つ紋があり、5つ紋が一番上の格になります。
3つ紋や1つ紋は略礼装といわれ、
この紋の入れ方によっても格がありますが、ここでは省きます。
留袖の特徴として、比翼仕立て(ひよくじたて)という特別な仕立て方を致します。
これは袖や裾(すそ)をみると、一見2枚の着物を着ているようにみえる、という仕立て方です。
なんでこんな仕立てをしているかというと、
本来は、2枚の着物を着ていたから、です。
でも2枚の着物を着るのは大変だし、布量も使うから、ということで
2枚の着物を着ているようにみえる仕立て方をしているのです。
余談ですが、現代では結婚式では黒留袖は親類が着るものというイメージがございます。
そのため、色留袖のほうが格が下というイメージを持つ方がいらっしゃいますが、そうではありません。
着てはいけないわけではないのですが慣習や風習もございます。
このあたりは結婚式のルールというのがその地域によってもございますでしょうから色留袖を着たい場合はまわりのかたとご相談いただくほうが無難かもしれません。
まとめ
さて、着物の袖が長いお振袖、袖の短い留袖があるのはお分かりいただけたかと思います。
ここで疑問に思った方もいらっしゃると思います。
では普通の着物の袖丈のものはなんというの?
私が知らないだけかもしれませんが、
特に存在しないように思われます。
※小袖や長着という言い方も存在致しますが、
正直、小袖、長着という言葉を聞いて着物の形を思い浮かべられるかという・・・。
ですので、しいていうなら、普通の着物。
通常の着物の袖丈は49~50センチです。
着物が当たり前の日常着だったときは、
袖丈ってその人の体型によっても変えていたと思うのです。
背が高い人ならちょっと長め、
普段着として、掃除やお炊事をする人なら袖も短め
といったように体型や用途によって
その人だけの寸法で誂えていたのが本来の着物だと思います。
現代ではなかなかそうもいきませんが・・・。
さて、まとめです。
振袖
袖が長い!
未婚女性の第一礼装。
でも生地によっては礼装にならない!
留袖
袖が短い!(というかふつうの袖丈)
既婚女性の第一礼装。
柄は江戸褄、裾模様。